呪われたミカンの日記

「このミカン…呪われてるよ。」「節子、それ呪われたミカンちゃう。ブラッド・オレンジや」

ここいらの恋愛事情とゲーム理論

最初にお断りしておく。

私のゲーム理論の理解力は、ただただ、

15年以上前に見た映画、ビューティフル・マインドの中の説明による物以上でも以下でもない。

 

 

因みに、私の記憶が正しければ、あの映画の中でのゲーム理論の説明はこうだ。

 

超S級の女子が居たとする。

男子は全員もちろんその超S級の女の子と付き合いたい。

でも、皆が超S級を狙っても、その子を獲得できるのはただ一人。

だから、超S級の女子は超S級の男子に譲って、A級の男子はA級の女子を、B級の男子はB級の女子とくっ付いたら、皆彼女が出来て、あぶれる者がなく、集団全体としてはより満足度が高い。

そんなところだったと思う。

 

 

所で、ここいらの恋愛事情である。

 

公言してはいけない趣味ナンバー1である人間観察が大好物の私が、

周りのカポーを気づかれぬようジロジロと見ていて最近気が付いたことがある。

 

所謂、

皆 ”お似合い” なのだ。

 

背が高くて体重も重いちょっとオタク風の男の子は、これまた背が高くて体重も重い、ハロウィーンに自分がバットマンの仮装をやる時に横でバットガールになって「キャー!バットマン、カッコいい!」って言ってくれる女の子と付き合っている。

 

若くて今風のスキニー・ジーンズの良く似合う男の子は、髪の毛が緑で、鼻ピアスしているこれまたスキニーの良く似合う若い女の子と付き合っている。

 

大分前に離婚した人の好い中年中間管理職の男性は、同じような年齢、同じようなずんぐりむっくりの女性と付き合っている。

 

髪は刈り上げで、いっつもトンボーイっぽい恰好をしている女の子は、髪の毛は長くてソバージュなものの、何時もジーンズとTシャツの女の子と付き合っている。

 

 

翻って日本の恋愛シーンである。

皆が、とは言わないが、

男性は恋愛工学なるものを学び、超S級女子を手に入れるために日々切磋琢磨を続け、

女性は、上昇婚という名の、自分より学歴も背も収入も上の殿方を所望するため、「いい男が居ない」「彼氏出来ねー」と夜な夜な居酒屋で女子会なるものを開いて愚痴っていると風の噂に聞く。

 

A級もB級もC級も、皆こぞって超S級を狙ってしまうが故に一握りの人しかお相手が手に入らない状態。

 

これって、ゲーム理論的に見るとあんまり幸せではない状態ではないのか?

 

 

どうせ手に入れるならいいものが欲しい、という気持ちも分かるが、

良い物だけを狙って行った結果、何も手に入らない状態とどっちがいいのか?

 

 

ここいらは、”お似合い”の相手と付き合うせいか、誰しも皆彼氏彼女が居る。

太った人でも、お金がなさそうでも、髪の毛が無くても大抵相手がいる。

 

 

絵的にはどうかな、と思う二人が、別れ際じゃあねーまた明日ねーと投げキッスしながらニコニコと手を振っている様を見て、

幸せとは何か、

を考える毎日である。